死刑の重み考えよう 裁判員制受け若手僧侶ら企画 仙台

 宮城県や福島県の若手僧侶らでつくる「仙台教区仏教青年会」は27、28の両日、仙台市宮城野区の真宗大谷派東北別院で、死刑制度を考える講演会と座談会を開く。講演会は、映画監督の森達也さんを講師に招く。5月に始まった裁判員制度で、市民が死刑の判断を求められる可能性もあり、青年会は「死刑について真剣に考えるきっかけにしたい」と話している。
 森さんは、死刑執行にかかわった元刑務官や極刑を望む殺人事件の被害者遺族らにインタビューした著書「死刑」がある。27日の講演会では、参加者からの質問の時間を多く確保。終了後には森さんを交えた懇親会も用意し、死刑制度について理解を深める。
 28日の座談会は、青年会のメンバーと市民が、意見を交換する。出された声をまとめて後日、講演会の参加者にも送付する。
 青年会は2008年9月、仙台市や二本松市、花巻市などに住む20〜30代の僧侶ら10人で結成した。日本が死刑存置国にもかかわらず、制度を実感する機会が乏しいことに危機感を抱き、今回の講演会などを企画した。
 宗教界では真宗大谷派が「罪を犯した人の立ち直りを助ける責任を放棄し、共に生きる世界を奪っている」と死刑反対を表明している。
 青年会は全員が真宗大谷派に属するが、会として明確な態度は決まっていないという。関口真爾会長(36)=仙台市宮城野区=は「会員の中でもいろんな意見があり悩んでいる。裁判員制度も始まった。存続か廃止かと二元化するのでなく、死刑制度を深く考えたい」と言う。
 講演会は午後1時から、入場料500円。学生と未成年は無料。定員120人。懇親会は参加費2000円。座談会は午前9時半から、無料。 河北新報2009/06/19